2015年教育・学生支援関係の主な出来事
私が所掌する教育・学生支援部では,毎年12月28日の午後一番に‘仕事納めの会’を行っている.2013年と2014年の会での私の挨拶は,教育・学生支援関係のその年の主な出来事10件の紹介であった.2015年の式でも同じ趣向で以下の10件を取り上げた.

<教育・学生総合支援センターの竣工と供用開始>
旧管理棟の東側に建設中であった標記センターが4月に竣工した.通称東棟と呼ぶ4階建ての建物で,1階に学生支援課が,2階に教務課と留学生課が,3階にはキャリア支援事務室が入った.4階には大会議室と中会議室がある.旧管理棟(西棟)も改修され,1階に構内清掃を担当している「ぶるーみん」の人たちの控室や倉庫が,2階に学務課と理事室や部長室が,3階にはグローバルラーニングセンターの教員室が配置された.この整備で教務課と留学生課一緒になったことは画期的で,今後の事務体制の再編に向けての大きな第一歩となった.

<仙台地下鉄東西線の開業と駅前モールの整備>
12月6日(日),待ちに待った地下鉄東西線が開業した.同時に,市バスや本学が運行する学内バスが再編された.学生の利用は年度の途中ということもあり,大きくは地下鉄に流れていないようだが,年度が更新されるにつれて学生の利用者が増えるのではないだろうか.また,川内駅が,川内北キャンパスの北側の川内郵便局向かいにできたことで,周辺の整備が市の補償費用や大学独自の費用で大いに進んだ.講義棟A・B・Cと,川北合同研究棟・理科実験棟の間は,モールとして整備された.自転車やバイク,そして車がまったく入らない空間となった.とても素晴らしい空間で,早く青葉の季節にならないかなと,期待している.

<七大戦3連覇など学生の課外活動での活躍>
主管校として迎えた全国七大学総合体育大会(七大戦)で総合優勝し,3連覇をなし遂げた.また,人力飛行部Windnautsは,人力プロペラ機ディスタンス部門で大差をつけて優勝した.一方,アメリカンフットボールのHornetsは,東北リーグで優勝し,北日本王座決定戦で北海道大学を破った.東日本代表校決定戦では,早稲田大学に20対10で敗れたが,大健闘であった.その他,体育部や文化部に所属する多くのサークルが大活躍した.

<学生生活支援審議会の設置>
学生支援審議会と学生生活協議会を統合し,「学生生活支援審議会」をこの4月より設置した.学生の生活全般にわたる支援に関し,大学のさまざまな組織がより緊密な連携を取ることができる体制となった.また,二つの委員会が一つになったことで,部局の負担も軽減されたのではないかと思っている.

<東北大学学プログラム推進機構の設置>
本学のスーパーグローバル大学創生支援事業(TGU)である「東北大学グローバルイニシアティブ構想」が採択され,国際共同大学院が設置されることになった.その先陣は「スピントロニクス国際共同大学院」であり,この4月に発足した.一方,博士課程教育リーディングプログラムが2つ走っており,さらに本学独自の施策で「国際高等研究教育院」も動いている.これらを束ねるものとして,4月に「東北大学学位プログラム推進機構」を発足させた.この機構の発足により,様々な学位プログラムを効率よく運用できる体制が整ったことになる.

<教育システム改革の進行>
学務審議会を中心にした教育システム改革が順調に進んでいる.正式な運用開始は次年度であるが,GPA(Grade Point Average)制度と授業科目ナンバリング制度を導入することが決まった.また,シラバス(授業概要・授業計画書)記載事項も,15回の講義すべてを記載することや英語でも表記するなど,より充実した内容に改めることを決め,これも2016年度から導入される.また,学事暦の柔軟化やクォーター制の導入についても引き続き議論が続いている.

<AO入試学生定員を30%へ>
本学はAO入試を他大学よりも先駆けて導入し,その比率もダントツで2015年度は入学定員の約18%であった.人数にすると438人である.追跡調査などでもAO入試入学者は成績が良いことがわかっており,AO入試による入学者定員を増やすこととした.これは2016年度から始まる第3期中期目標・中期計画の目玉の一つに取り上げられる.2016年度AO入試定員は,2015年度より41名増えて479名の募集となり,入学者定員比率は20%となる.

<川内課外活動共用施設(川内ホール)の着工>
竣工は2016年度となるが,長年待ち望まれていた新課外活動施設の工事が着手された.4階建ての建物で,ミニホールと音楽系の練習室が多数設けられる.4階には,25メートルプールが配置される.主に,片平で練習していたサークルが使用する予定である.また,この機会に,建物の名称が変更され,本施設は表題に掲げた「川内課外活動共用施設」で,愛称は「川内ホール」となる.その他の施設もこれを機に変更され,川内サークル部室棟,川内体育館(川内アリーナ),川内サブアリーナ,川内課外活動共用施設A・Bと呼ぶこととなった.

<明善寮の禁酒寮へのリニューアル>
飲酒問題をきっかけにリニューアルしていた明善寮の改修工事が2015年3月に終わり,4月から全面禁酒の寮として再出発した.「全面禁酒寮」のコンセプトは,学生にも保護者にも大変好評で,多くの入寮希望者があった.禁酒は良く守られているようで,その証拠の一つに,昨年まで見られた中途退寮者は今年一人も出ていない.このリニューアル,今のところ大成功だったのではなかろうか.

<青葉山新キャンパスにUH建設が決定>
生活しながら異文化体験ができるという観点から,現在日本人学生と留学生がともに住む「混住寮」が注目されている. 本学は,混住寮でもさらに一歩進めたシェアハウス型混住寮を,これも他大学に先駆けて整備してきた.2007年度からユニバーシティハウス(UH)三条を,2013年度からはUH三条ⅡとUH片平を運用している.現在680室であるが,留学生が急増する中,さらなる整備が必要とされている.今年度この整備計画が煮詰まり,750室程度を青葉山新キャンパスに整備することが正式に決まった.2019年4月からの運用を目指している.


2016年1月10日記


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