サークル活動,いま一度点検を
先月(2013年5月),駒沢大学の吹奏楽部の2名の部員が,遊泳禁止の措置が取られていた長野県野尻湖で溺れて亡くなったという悲しい出来事がありました.2名のうちの1名は,この4月に入学したばかりの新入生とのことです.約70名が参加した合宿期間中の出来事で,当日約50名の部員が野尻湖内の島に渡り,そのうちの半数が一斉に湖に飛び込んだとのことです.これまでもこのような一斉飛び込みは行われており,部の伝統行事,恒例行事であったことが事故後の調べで明らかとなりました.

一方,昨年(2012年)の5月には小樽商科大学のアメリカンフットボール部が,キャンパス内でバーベキューパーティを行った際,アルコール中毒による死亡事故が起こりました.このパーティでは,何人もの部員が急性アルコール中毒症状となったようで,結局救急車で9名が病院に運ばれました.そして残念なことに,未成年であった1名の新入生部員が,救急搬送から2週間後に,治療のかいもなく亡くなったのです.このイベントでは,未成年のためにお酒を飲んではいけない人やお酒に弱い人に,飲酒を強要するようなことはなかったと大学側が報告していますが,下級生は上級生から勧められると,とても拒める状態ではなかったとも言われています.この出来事の背景には,飲酒に対する組織としての考え方に甘さがあったと言わざるをえません.

さて,皆さんのサークルの活動で,このような事故に至ってしまう可能性のあるイベントや行事はありませんか.いま一度,自分のサークル活動の点検をしてください.長年受け継がれてきた行事だから,先輩からもそうされたので,などだけの理由で続けているのであれば,思い切って断ち切りましょう.一旦事故が起こると取り返しがつかなくなります.実際,小樽商科大学の出来事では,後に多くの部員が重い処分を受けておりますし、そして何よりも,部そのものが廃部との処分がなされています.同大学のアメリカンフットボール部は,北海道1部リーグで2008年から4連覇中と,抜群の強さを誇っていたようです.この部に憧れて入学し,そして実際入部していた部員もいたかもしれませんね.

未成年者や体質的に飲めない人,また,たとえ飲めても飲みたくない人に飲酒を勧めること,ましてや強要することは,アルコール・ハラスメント(アルハラ)どころか,れっきとした犯罪です.繰り返しますが,皆さんのサークルの一連の活動,いま一度きちんと点検をしてください.この際,悪弊を断ち切りませんか.


2013年6月20日記


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