全学教育とPDCAサイクル |
本学の川内キャンパスで行われる初年次や2年次の教育を,「全学部の学生を対象とする教育」であることから,「全学教育」と呼んでいます.大学によっては,共通教育と呼んでいるところもあります.全学教育は,専門分野を本格的に学習する前に,生涯学び続ける力の基となる幅広い教養と,専門教育を受ける前提となる基礎的な力をつけることが目的です.そのため,教養教育や基盤教育と呼ぶこともあります. 本学はこの全学教育を重視しています.そのため,毎年「PDCAサイクル」を回して教育の内容と方法の向上を目指しています.ここでPDCAとは,plan,do,check,actの頭文字をつなげたものです.actはactionと書くことも多いようです.日本語では,計画,実行,評価,改善と表現されます.actが改善でよいのか,違和感がないこともないのですが,通常このように理解されています.このPDCAサイクルは,生産管理.・品質管理のために,第2次世界大戦後,米国の統計学者であるエドワーズ・デミング(William Edwards Deming,1900-1993)によって提案されたようです.このサイクルを回すことで,持続的な改善を図ろうとするものです.本学の全学教育を運営している学務審議会では,各科目委員会と教員個人とが,それぞれPDCAサイクルを年に一度回すことにしています.この司令塔となっているのが,学務審議会の下に設けられた教育情報・評価改善委員会です. PDCAサイクルでは,check(評価)が大切です.学務審議会では皆さんの声を直接聞きたいということで,懇談会を年に一度,2月に開催しています.各学部から1〜3名,学友会の体育部と文化部からも1名,2年次を修了する皆さんに集まっていただき,全学教育に関する感想や評価,要望を出してもらっています.今年度も2月19日(木)に行いました.昨年同様,活発な意見や要望が出され,2時間半にも及ぶ懇談会となりました.厳しい指摘も多々ありましたし,また,他大学を経験した学生からは,本学の全学教育のレベルが高いなどとお褒めの言葉もありました.もちろんのこと,これらの意見や要望をきちんと受け止め,次年度に活かしていきたいと考えています. さて,私たちは何かことを行ったとき,意識することもなく良かった点や悪かった点などを振り返り,次に行う際の改善につなげています.特にPDCAサイクルなどと意識しなくとも似たようなことを行っているのですが,それでも意識的に回すことでもっと高い改善効果が出て,次はもっと良くできることになるかもしれませんね. 2015年3月20日記 website top page |