サークル活動における飲酒行事の点検を |
サークル活動で,飲酒による不祥事がまた起こってしまいました.伝統も人気もあるサークルであるT部の,現役の学生だけが参加する交流会で,1・2年生が酒を飲みすぎ,10名もの学生が泥酔し,嘔吐したり,大声を上げたりなどの迷惑行為を行ったのです.泥酔者の中の2名は,意識も失っていたとのことでした.交流会が行われた建物のトイレなどの汚損は大変なもので,会場と料理を提供した側にとって大迷惑だったことは言うまでもありません.学生支援を所掌する私たちは,事件発覚後ただちにT部には無期限のサークル活動停止を申し伝え,この事件が起こった経緯を振り返り猛省してもらうとともに,再発防止のための方策についてサークル全体として真摯に考えてもらうことにしました. 本学学生のサークル活動におけるこのような飲酒がらみの不祥事は,昨年度もありました.私たちは,このような事件が起こると全てのサークルに対して,このような事件を他山の石として活動を見直してもらいたいとのメッセージを,様々な手段で送り続けました.また,学友会体育部長のN先生からも体育部常任委員会やサークルのリーダー研修会の席上で,このことについて指導をしていただきました.実はT部からも複数の常任委員が出ており,この注意喚起を聞いているはずなのですが,サークル全体で共有するまでに至らなかったことが,事件後の調査委員会の調べで分かりました.現在,どのサークルでも全員がこのような情報を共有するよう,周知徹底する方策を考えているところです. 今年に入り,3年前のサークルでの飲酒で子供を亡くした両親が,20数名の当時のメンバーに対し,総額1億7千万円の慰謝料を請求する訴訟を起こしたとの報道がありました.亡くなった学生に対してお酒の強要があり,かつ,泥酔したあと適切な措置を取ることなく長時間放置した,という過失があったというのです.今回は慰謝料を請求するという民事訴訟ですが,酒を強要したと思われる学生を刑事告訴してもおかしくないケースではないかと思います. サークル内の親睦を図るため,お酒も用意して歓談する機会を設けることは,何らおかしなことではありません.しかし,そのような場では未成年者飲酒の禁止など守るべきルールがあること,お酒の強要はハラスメントであること,泥酔は死に至る危険な状態であることなど,きちんと理解しておくべきです.お酒は,日頃がんじがらめに思考や発想,そして行動を抑制しているものを取り払い,自由な思考や発想,そして行動をもたらします.皆さんのサークルの飲酒を伴う行事を点検し,そしてお酒と上手に付き合ってください. 2015年9月20日記 website top page |