全学教育にクォーター制導入
本学は現在,1年を半年ずつの2期に分けて15回の授業と試験を行うセメスター(semester)制の学事歴を採用していますが,2017年度からは全学教育を中心に,クォーター(quarter)制の学事歴を導入することにしました.セメスターをさらに2つの期間に分けて,正味8週間の授業期間とするのがクォーター制です.これに伴い,多くの授業科目が週に2回行う‘クォーター科目’となります.一昨年から,学内にプロジェクトチームを設置して議論し,昨年3月に今年の4月より全学教育にクォーター制を導入することを正式に決めたのです.

クォーター制の導入の一番の目的は,皆さんがより能動的にかつ深く学習できる環境を整備することです.私たちの調査によると,皆さんは第1セメスターで平均14~15科目を,第2セメスターで11~12科目を履修登録しているようです.すなわち,1日当たり2~3科目を受講していることになります.講義形式の授業では,授業時間の2倍を予習や復習にあてることが求められています.教員にもそのような授業設計をすることが求められているのです.しかし,こうもたくさんの授業科目をとらなければならないと,皆さんも教員もなかなかそうはできませんね.実際,皆さんへのアンケート調査でも学習時間の確保が十分であるとは言えないようです.クォーター制になると週当たりの履修科目数が大幅に減りますから,皆さんが集中して深く学習できる環境が整備されることになります.

クォーター制にする二つ目の目的は,留学を現在よりもしやすくすることです.現行のセメスター制では,セメスターの途中で留学に行く場合や留学から帰る場合,そのセメスターの単位を取得できないというリスクがあります.したがって,留年する可能性が大ですので,留学を思いとどまる人が多いのが現状です.クォーター制では,単位を取得するための授業期間が半分と短くなりますので,文字通り,留年のリスクは半減することになります.クォーター制の導入は,皆さんにとって今まで以上に留学しやすい環境を整備することなのです.皆さん大いに留学を考えてみてください.

クォーター制導入が皆さんにもたらすメリットは上記のようなものですので,この整備される環境を大いに活用してください.繰り返しですが,週当たり少ない授業科目とすることで,ただ「授業に出るだけの学習」から脱皮し,皆さん自らが能動的に深く学習してください.くれぐれも,あれもこれもと多くの授業科目を履修しようとしないでください.これはクォーター制導入の趣旨に反することです.


2017年3月20日記


website top page