毎朝の楽しみ
毎朝の楽しみは,配達されたばかりの新聞を読むことである.購読している新聞の私のマンションへの配達は6時前後であるので,この時間になるとそそくさと取りに行く.耳にはテレビのニュースを,口のほうには簡単な朝食を担当させ,目と頭は新聞である.ここ何年も,科学欄や書評などをはじめとして,興味をもった多くの記事を切り抜いている.このうち,仕事に少しでも関係するものは研究室でスクラップブックに保存している.中でも皆さんにも読んでほしいと思う記事は,コピーを取って研究室の廊下に貼っている.新聞は本当に多くの情報を与えてくれる.購読料は月々たった3千円程度であり,投資対効果が抜群である.

私が購読している新聞はM新聞で,30年以上も定期購読している.最大発行部数を誇るA新聞やY新聞は,さまざまなところで目に触れる機会が多いこともあり,個人での購読紙はM新聞に決めている.さて,だいぶ前のことであるが,新聞各社の購読の勧誘が激しかったときがある.そのときは,新聞以外のサービスを競っていた.例えば,P新聞は最初の月は無料でさらに洗剤をおまけにくれるというし,Q新聞社は演劇鑑賞のティケットをくれるなどと.いつも同じ新聞を取っているのは馬鹿であるかのようである.

さて,新聞の勧誘にはいつも同じ断り方をした.M新聞は将棋界の最高の棋戦の棋譜を掲載しているので,これを利用したのである.「私は将棋が趣味でしてね,毎朝棋譜を見るのが楽しみなのですよ.P新聞さんの扱っている棋戦では物足りないですね」,「Q新聞さんの棋戦は確かに伝統あるものですが,順位戦に結びついていないのがね」などと.この断り方の効き目は万全,勧誘員は二の句も告げず,いつも退散した.M新聞読者の皆さん,是非お試しあれ.

それにしても新聞が配達される6時ごろ,11階の部屋から降りていって,郵便受けに新聞が入っていないときのショック,これはまったく大きいのです.


2006年2月15日記


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