おじさん車,ついに納車 |
待ちに待った新しい車,スバルXV−ハイブリッド(HV)が,この(2013年)8月4日(日)に,ようやく納車された.この車の先行予約の受付開始は5月11日(土)であり,私は翌日の12日に発注していた.したがって,発注以来,約3か月後の納車となる. 予約時の話しでは,私の車の製造は8月上旬で,工場のある群馬県から輸送し,ディーラーでのオプションの取り付けなどを行うと,納車は8月下旬になるはずであった.実際には数週間早い納車となった. さて,昨年来,この車についての報道がたくさんあった.これらの報道に接するたびに,実は悲喜こもごもであったのである.以下,時系列的にそれらを紹介しよう. まず,昨年(2012年)9月26日の新聞各紙に,富士重工業(スバル)が小型多目的スポーツ車(SUV)「インプレッサXV」を10月5日に発売するとの記事がでた.月間1000台が販売目標だという.この当時,この車の開発のもとになった車がインプレッサであるので,「インプレッサXV」と呼ばれていた. このインプレッサXV,先のこの欄の「スバリスト続けます」(No.91,2013年1月15日)にも書いたように,このあたりからフォレスターに代わる車の最有力候補となった. 続いて10月30日の日本経済新聞(日経)は,スバルがインプレッサXVの発表後1か月間の受注状況を発表した,との記事を掲載した.それによると,10月28日まで,4277台と目標の4倍を受注したのだという.そして,スバル独自の運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」搭載のタイプが約82%を占めたとも報じた. この頃から年末にかけて,車の情報を扱うインターネット掲示板には,スバルXVにハイブリッド車が設定されるとの噂が流れるようになった.これに大いに期待していたのだが,今年に入って1月14日の日経である.「富士重がHV投入へ/今夏にも,小型SUVで」との記事を掲載した.他紙には掲載されていないので,同紙独自の取材なのだろう. 前の車,フォレスターの車検が4月に切れるので,うまく新車に接続できるのかやきもきしていたのだが,この記事の「今夏」との表現で,接続がうまくできないことがわかってしまった.この記事を読んで私は,4月にフォレスターの車検を通すことを覚悟した. 次に3月30日の読売である.「高級車,HVずらり/NYショー/米の景気回復追い風」の見出しの記事が出た.ニューヨーク自動車ショーの記事で,この中に「スバルXVクロストレック・ハイブリッド」が公開され,今秋まで日米で販売することを紹介している.この記事あたりから「インプレッサXV」から「スバルXV」へと呼び名が変わってきた. そして4月19日の新聞各紙の記事,読売新聞(読売)には,「スバル初HV/6月デビュー」,日経には「富士重HV/加速感重視/独自エンジン搭載,6月発売」,との見出しの記事が出た.いずれの記事も,HVシステムはスバル独自のものであること,モーターを加速性能の向上に使っていること,燃費はガソリン車のリッター15.8kmより30%向上し,リッター20kmであることを報じた. 読売の記事には,吉永社長の「(燃費性能だけではなく)走りが楽しいハイブリッドがあってもいい.(HVを)最後発でスバルが出す意味だ」とのコメントがあった.通常HVシステムは,燃費向上の手段として導入されているのだが,スバルXV-HVには,加速性能向上のために導入しているとのこと,結果的に燃費も向上するのだが,スバルらしい発想である. さて,この記事で,初めてこの車の燃費がリッター20kmであることを知った.この数値,確かにエコ車と呼ばれているカテゴリの車に比べると,若干(もの凄く,かな?)物足りない.しかしながら,HV車で四輪駆動車はこの車しかないので,良しとするしかないと覚悟を決めた. このような中,フォレスターの車検を迎えた.当然のことながら,ディーラーには事情を話し,最低かつ最小限の対応で済ませてもらった.例えばブレ―キパッド,交換してもいい状態なのだが,車検後長い期間乗らないことを理由に交換はなし.マフラーには小さな穴が発見された.そのままだと,急激に穴が拡大し,爆音を鳴らすような事態になるという.これはしょうがないから交換なのだが,中古品を見つけてくれた.おかげで,新品の半額.ともあれ,この車検,痛い出費だった. 次の出来事が5月12日の予約.もう何年もお世話になっているディーラーのKさんが対応してくれた.成約のおまけがスバルXVのミニカーで,壁に向かって走らせると直前でブレーキがかかって止まるという,優れもの.これは,アイサイトの機能をまねたものである. そして,6月28日の新聞各紙,これにはびっくりしましたね.一面全面を使ったスバルXVの広告である.読売に至っては,見開き2面の広告.中央に緑の円が描かれ,その中には「XV HYBRID a new type」の文字.その円から,泥まみれや雪まみれの4台のXVが四方に配置されている構図である.大胆なこの広告,もちろんのこと記念のため切り取りました. スバルXV−HVは6月24日に店頭発表されたのだが,それから2週間後の7月7日までの受注状況が,7月10日にプレス発表された.このプレス発表の中身が,翌11日の読売や日経で報じられた. 記事によれば,7月7日の時点で,月間販売目標台数の550台に対して,10倍強の5580台の受注があったとのこと.会社は,きわめて好調なスタートを切ったとしている.最も受注があったのは,上級のLグレードでかつアイサイトが搭載されたもので,91.4%がこのタイプであったという.ちなみに私の車もこのタイプである. 外装色ごとの受注状況も発表された.全9色中,サテンホワイト・パールがダントツの28.3%,以下,デザートカーキが14.7%,アイスシルバー・メタリックが13.0%,プラズマグリーン・パールが11.2%と続く.ちなみに,テレビコマーシャルに出てくる明るい黄緑色の車が,プラズマグリーン・パールで,HV車のみの設定となっている. 私が選んだ車の色は,第2位のデザートカーキ(薄黄緑なる表現でしょうか)である.この色は,昨年12月,(般)日本流行色協会の「オートカラーアウォード2013」のグランプリに輝いた.受賞理由は,「“渋めの色”で“カラーコーディネーションありきのデザイン”という2点を重視し,その両方ともが高く評価できる」ということで,スバルXVの「デザートカーキ(エクスエリア)×ブラック(インテリア)」をグランプリに選んだのだそうだ.なお,このデザートカーキはスバルXVの専用色である. さて,他にもびっくりする統計も発表された.購入者の年齢構成比である.なんと,60歳以上の購入者が最も多いのだそうだ.数値を示すと,29歳以下が7.0%,30歳代が14.3%,40歳代が23.1%,50歳代が26.5%,そして60歳以上が29.1%だという. 驚いてばかりだが,これにも驚いた.XVのSUV的デザインといい,アウトドア派向きというコンセプトといい,若者向きの車と思っていたのだが,実際の購入者は「おじ(い)さん」が多いとは.テレビのコマーシャルにしたって,若者にアピールするように作られていると思うのだが.HV車はガソリン車に比べ30万円ほど高いので,若い人が敬遠したのであろうか. そして,8月1日の日経には,スバルXV−HV発売から1か月後の受注状況が紹介された.それによると,「HVも富士重工業『スバルXVハイブリッド』が6月の発売後1カ月で月間販売目標の13倍に当たる約7000台を受注した」のだそうだ. 売れ行き好調なのはいいのだが,これも変なもので,全く人気のない車を選ぶのも,車選びのセンスが疑われるようで嫌だし,されどベストセラーの車を選ぶのも,他者追随のようで嫌だし,なかなか複雑な心境である. さて,納車の日,車の機能に関しいろいろな説明を受けた.現代の車,なんと覚えることが多いのだろうか.いろいろなことを意識しないで運転するのには,まだまだ時間がかかりそうだ. さて,この車は全車CVT(Continuously Variable Transmission:連続変速機)であり,マニュアル(MT)車の設定はない.私にとってこれが初めてのMT車以外の車である.まだ,慣れるまでにはなっていないが,確かに運転そのものはすこぶる楽になった.楽になった分,車を制御しているとの実感は遠くなったし,運転に集中する度合いも少なくなったようにも感ずる.スバルXV―HVにも,MT車があればよかったと思うのだが,MTとHVの組み合わせは,無理なのだろうな. どうしてMT車が好きなのかって?ベストセラー「間違いだらけのクルマ選び」の著者,徳大寺有恒さんも同じことを言っていたのだが(正確には次の川柳仕立ての表現は私の創作:誰か既に作っていそうな気もするが),…. 「マニュアル車 選んで運転 ボケ防止」 2013年8月10日記 website top page |