2015年度東北大学オープンキャンパス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今年(2015年)度の東北大学オープンキャンパスは,7月29日(水)と30日(木)の2日間,片平キャンパスを除く川内,青葉山,星陵,雨宮の4キャンパスで開催された.両日とも天候に恵まれたというよりは,最高気温がそれぞれ33.0℃,30.3℃と,熱中症が心配なほどの暑さであった. 今年度の参加者は,2日間で計60,411名であった.この参加者数は,昨年度よりも5,264名多く,本学オープンキャンパス史上,2013年度についで第2位である. これまでのアンケート調査から,本学へ入学者する学生の約50%が,オープンキャンパスに参加していることがわかっている.東北地方の高校からの入学者に限れば,この数字はさらに高く,約80%となる.本学のオープンキャンパスは受験者の確保の観点から,非常に重要な行事なのである. ただ,参加者が多いだけにその運営には注意を払わなければならない.全学の立場でこの行事を企画し世話をしているのは,事務部では教育・学生支援部入試課であり,教員は高度教養教育・学生支援機構の入試センターに所属している先生方である.もちろん,各部局でもそれぞれに実施体制を作り,運営している. 他の大学でも似たようなところはあるのだろうが,私は本学のオープンキャンパスは学生が主役になって参加者と触れ合っていると思っている.自分たちが日ごろ研究している成果を,できるだけわかりやすく伝えることで,研究を理解してもらおうと努力している.このことで,参加者と接している本学学生が,来場した高校生のロールモデルとなり,本学への入学を誘っているのではなかろうか. さて,オープンキャンパスには6万人もの人たちが,多くの大型バスに分乗しやってくる.キャンパス周辺には車が殺到することになるので,臨時に交通誘導員を各キャンパスに配置している. さらに,昨年(2014年)度は,短時間ではあったが凄まじい豪雨があり,川内北キャンパスでは,厚生施設の前庭が水浸しになった.そのため,豪雨対策として,各部局に避難場所の確保を要請した.また,大地震発生時の対応として,地震対応マニュアルを活用し,避難場所もパンフレットに明記するなどの対策をとっている. その他,暑さ対策として、昨年度同様に来場者にうちわを配布した.このうちわは,表側に本学のロゴマークを,裏側に病院100周年のロゴマークを入れたものである.また,資料を入れるための不織布で作成した「東北大学エコバッグ」をこれまで同様配布した. さて,今回のオープンキャンパス開催の前,研究室のKさんから問い合わせがあったこともあり,本学のオープンキャンパスの歴史について,わかる範囲でまとめておくこととした.資料は私の備忘録と,入試課でまとめた資料である. 本学のオープンキャンパスは,工学部金属系3学科が1982年度に始めたらしい.しばらくは金属系学科のみであったが,1995年度には工学部全17学科が参加した.2年後の1997年度には,理学部と薬学部が参加し,3部局が参加するオープンキャンパスとなった. なお,私の備忘録には,1997年度はオープンキャンパスという名称ではなく,「オープンカレッジ」とあった.これが当時の正式名称なのかは,入試課の資料にもなく確認で来ていない. さらに2年後の1999年度,全10学部が参加する形で行われた.開催の趣旨は以下のように謳われている.「本学入学を志す者を対象として,本学の教育・研究を正しく理解し,適切な進路を選択するに当たっての参考に資するため,本学各学部・研究科等の概要を説明するとともに,教育・研究内容,学内の諸施設等を紹介する目的で実施している.」 なお,入試課の資料には,名称について次のような記述がある.「平成11・12年度における名称は、『平成○年度受験生のための東北大学説明会及びオープンキャンパス』であったが,平成13(2001)年度より『東北大学オープンキャンパス』に変更した.」 本稿末尾に,1999年度のオープンキャンパスを第1回として,今回までの各年度の開催状況をまとめた表を示す.この中の日程の欄は,私の備忘録から拾ったものである. 回を追うにつれてオープンキャンパス参加部局は次第に増え,2003年度には附属図書館が,2004年度には国際文化研究科など5独立研究科とサイバーサイエンスセンターが,2008年度には医工学研究科が,2010年度には原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AMIR)やグローバルラーニングセンターなどが参加するようになった. 参加者も,1999年度に6,330名であったものが,冒頭に記したように今回は60,411名であり,右肩上がりに増加してきた.なお,ここで参加者とは,部局単位で数えた参加者の総和であり,一人が複数部局を訪問すれば,複数部局でカウントされることになる. 朝日新聞社が毎年出している「大学ランキング」には,オープンキャンパスへの参加者数のランキングが出ている.その情報も表の中に入れた.これによると,本学への参加者は,最近は常に5位以内であり,国立大学に関しては,ダントツの一位である. なお,2013年度以降は,次のような原則で開催日を決めている.すなわち,「月曜日及び金曜日を除く7月最後の連続する平日の2日間で開催」としている.この原則に当てはめると,2016年度は7月27・28日(水・木)の2日間となる. 本学のオープンキャンパスは,北関東から東北地方の多くの高校の恒例の行事として位置づけられている.また,高校生のみならず,その保護者や市民,あるいは小学校や中学校の生徒も参加している.受験者確保の観点から重要と記したが,大学を知ってもらう絶好の機会でもあるのである.次年度以降も工夫を凝らして,いっそう魅力ある本学のオープンキャンパスにできたらと思っている. 2015年8月10日 <東北大学オープンキャンパス>
(註2) WPIは原子分子材料科学高等研究機構,GLCはグローバルラーニングセンターのこと. website top page |