2024.04.10 受賞情報

地震・噴火予知研究観測センター 太田 雄策 准教授が令和６年度文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門 を受賞

地震・噴火予知研究観測センターの太田 雄策 准教授が令和６年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞 研究部門 を受賞しました。

受賞者：太田 雄策 准教授（地震・噴火予知研究観測センター）
受賞名：令和６年度文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門
受賞業績名：災害誘因予測に資する衛星測位による地殻変動即時解析の研究
業績内容：
　地震や火山噴火にともなう地殻変動を高い精度で把握することは、それら現象の解明のみならず、引き続く災害誘因（ハザード）の予測の観点からもきわめて重要です。
　本研究では、全地球衛星測位システム（GNSS）データから推定された巨大地震の震源断層を、津波浸水を即時予測するシステムで活用するための社会実装を実現しました。また、震源断層即時推定の高度化をデータ駆動型の手法から実現し、実運用のシステムに対して技術移転を果たしました。さらに近年進展が著しい、民間が運用するGNSS観測網が地殻変動解析に活用可能であることを実証するとともに、それらを幅広い地球科学用途に利活用するためのコンソーシアム構築を主導しました。
　本研究により、巨大地震の津波浸水即時予測における信頼性が向上するとともに、震源断層の推定精度を即時的に定量評価することが可能になりました。さらに民間によるGNSS観測網の活用により、これまでに無い高い空間分解能での地殻変動把握を実現しています。
　本成果は、地殻変動データにもとづくハザード予測の信頼性を大きく向上させるものであり、防災・減災に大きく寄与することが期待されます。