卒業生・修了生の皆さんへ
令和2年3月25日
地球物理学専攻 専攻長
日野亮太
宇宙地球物理学科・地球物理学コースを卒業された皆さん,地球物理学専攻博士前期および後期課程を修了された皆さん,この度はおめでとうございます.地球物理学コース・地球物理学専攻の教員を代表して,ご挨拶いたします.
まずはじめに,このようなかたちで皆さんを当学科・専攻からお送りすることになってしまったことをお詫びします.規模を縮小してでもお祝いの機会をもてないか,祝賀会・謝恩会の世話人の皆さんとも相談を重ねておりましたが,旅立つ皆さんの健康を第一に考え,このような対応とすることを決断しました.学生生活の最終盤に至って大きなハプニングが発生してしまいましたが,これにより,皆さんが東北大学で過ごした間に得たものは,それが公私いずれのものであれ,何ら損なわれてはいないものと信じております.新しい道に向かって自信をもって旅立たれる姿を,喜んでお見送りしたいと思います.
私にとっての,皆さんとの最大の接点は,研究発表会や学位論文審査会でした.そこでは,皆さんが地球物理学を志す学徒として大いに成長した様を拝見することができました.こうした有能な人材を,我がコース・専攻から輩出できることを,誇りに思っています.
今の研究室に残る皆さんはもちろんですが,仙台から離れる方の中にも,地球物理学とともに生活を続けていかれる方が少なくありません.これまでの研究を続けられる方,これを機に方向性を転換される方,あるいは関連分野での技術開発に携わるようになる方,様々と思います.いずれの道に進むにせよ,皆さんが成し遂げた成果は,次のステップに進む上での大切な財産になるはずです.それを礎として,地球物理学のますますの発展のために,私達とともに歩んでいっていただくことを希望します.
この春からは,地球物理学との直接的な関わりが薄くなってしまう皆さんも大勢います.その皆さんにお願いがあります.どうか地球物理学への関心を持ち続けてください.この学問が皆さんの生活の中心から離れることになったとしても,地球物理学の知識や考え方を身につけた皆さんは,日常的に触れる様々な自然現象から,自然が発しているメッセージを受け取ることができるようになっているはずです.そのメッセージの中には,知的好奇心をくすぐるものや,物心両面で生活を豊かにするようなものがある一方で,自然災害に関する警告のようなものもあるかもしれません.そうしたメッセージを受け取ることができる感性を維持し,そして受け取ったメッセージを周囲の人々につなぐメッセンジャーになってもらえることを期待します.
縁あって,皆さんと東北大学の地球物理でともに時間を過ごすことができました.その縁を,この後も大切にしていただきたいと願っています.私達教員は,卒業・修了されたあとも皆さんの応援団であり続けます.皆さんも,東北大学の地球物理学コース・地球物理学専攻を応援くださるよう,お願いします.
お元気で.そして,またお目にかかりましょう.