2021.03.08
プレスリリース
黒潮大蛇行が関東地方の夏をより蒸し暑く
近年、地球温暖化に伴う海の変化が気候に及ぼす影響が懸念されています。
本専攻海洋物理学分野の杉本周作准教授らの研究グループは、高解像度の気候シミュレーションを行い、夏の関東地方に及ぼす黒潮大蛇行の影響を詳細に分析しました。この結果、黒潮が大蛇行するときほど海から関東地方に多くの水蒸気が流れ込み、温室効果により蒸し暑い夏になることを発見しました。
本成果は、関東地方の夏の気候形成に果たす海からの水蒸気輸送の重要性を示したものです。近年、大気中の水蒸気は地球温暖化の進行とともに増加していることが指摘されており、今後、黒潮の流れ方によっては関東地方は一層厳しい夏になることが懸念されます。それゆえに、本研究成果は熱中症リスクの低減や気候変動適応計画の策定に貢献することが期待されます。
本研究成果は、Journal of Climateオンライン版にて2月1日に早期公開されました。詳しくは理学研究科のプレスリリースの頁をご覧ください。
関東地方の夏季気候への黒潮大蛇行の影響を表す模式図。