2021.03.22
プレスリリース
光ファイバーケーブルとDASを利用した火山地震観測
通信用に地下に敷設されている光ファイバーケーブルにDASを接続することにより、火山性地震の震源決定や複雑な火山構造を調べることが可能になります。
本専攻 地震・火山学分野と沈み込み帯物理学分野のグループは、超多点高密度観測が行えるDASを福島県の吾妻山に展開し、地震波の着信時と振幅をもとに火山性地震の震源決定を精度よく行えることを世界で初めて示しました。また、遠地地震のコーダ波の解析を行い、溶岩流や噴出物の堆積地域、降雨による浸食地形と地盤増幅特性がよい相関を示すことを明らかにしました。この観測方法は、噴火中の火山灰や火山弾、雷などの影響を受けにくく、今後火山活動のモニタリングなどに利用されることが期待されます。
本研究成果は2021年3月18日(木)公開の英国科学誌Scientific Reportsに掲載されました。詳しくは理学研究科のプレスリリースの頁をご覧ください。
(左)吾妻山と光ファイバーケーブルの位置。紫線は光ファイバーケーブルの敷設位置。DASは南端の土湯に設置。赤丸は、+印の定常観測点でP波、S波の着信時が読み取れた火山性地震の震源。(右)記録された火山性地震の波形例。赤と青は、地震波形の正負の振幅を示す。左側の数字は光ファイバーケーブルの測定位置。上が浄土平、下が土湯に対応し、北から南に地震波が伝播する様子を捉えている。Carは自動車によるノイズ。